新ホットクックはどのユーザー向け?
シャープ「ヘルシオ 」シリーズに新登場したエントリーモデル「ヘルシオ ホットクック with KN-MN16H」。従来の「pro」シリーズ(「ホットクック pro KN-HW16H」)との違いは? どんなユーザーに最適なの? いろいろ気になりますよね。
そこで、ライバル機T-fal「クックフォーミー CY8768JP」も用意し、実際に調理して3製品比較してみました。
Q. 新ホットクックは従来モデルとなにが違う?
A. 新製品のシャープ「ホットクックwith KN-MN16H」は、従来の「ホットクック pro KN-HW16H」と容量はそのままでコンパクトに、自動かき混ぜ機能に代わり、調理中に具材をかき混ぜるタイミングやコツをアドバイスする「まぜナビ」機能を新たに搭載した廉価版です!
従来モデル:シャープ「ホットクック pro KN-HW16H」
加熱の進行に合わせて自動でかき混ぜ!
これでかき混ぜる!
新モデル:シャープ「ホットクックwith KN-MN16H」
新製品(写真左)は手動でかき混ぜが必要!
従来モデルに加えライバルとなる電気圧力鍋とも比較します!
水なし自動調理鍋と
電気圧力鍋の特徴は?
従来モデルの「pro」シリーズが自動かき混ぜ機能を搭載しているのに対し、新製品の「ホットクックKN-MN16H」は、調理中に具材をかき混ぜるタイミングやコツをアドバイスする「まぜナビ」機能を新たに搭載しています。
本体前面に大きな液晶画面を配置し、そこに表示される案内に従ってかき混ぜれば食材に味がよくなじみ、よりおいしく仕上げられるとのこと。
また、温度と蒸気のダブルセンサーで鍋の中の温度をチェックし自動で加熱調整するため、かき混ぜが必要ないメニューに関してはもちろん「ほったらかし調理」も可能です。
調理4パターンの できと使い勝手を プロが検証!
今回は、ホットクックの新製品と従来のproモデルにティファー ルの電気圧力鍋クックフォーミーを加えた計3製品を使って、定番の煮込み料理などを調理。
自動かき混ぜと手動かき混ぜ、クックフォーミーならではの〝炒める〟工程や圧力調理によって仕上がりに差は出るのか? 要注目です!
肉じゃが
各機種のレシピに従って肉じゃがを調理。味・加熱ムラやじゃがいものホクホク具合に注目。
ブリ大根
ホットクック2機種についてはレシピ通り霜降り(湯通し)してから加熱しました。
炊飯
無洗米2合を浸漬せずに通常コースで炊飯。芯まで火が通っているか、ご飯の甘みをチェック。
手動調理
手動設定や適したコースを選択し、市販のペーストを使ってグリーンカレーを調理しました。
使い勝手
操作のわかりやすさに加え、パーツの少なさなどお手入れのしやすさもチェックしました。
水なし自動調理鍋と電気圧力鍋の実力は?
シャープ「ヘルシオ ホットクック Pro KN-HW16H」
- シャープホットクック pro KN-HW16H
- 実勢価格: ¥38,586〜
- 総合
- おすすめポイント
-
- 自動かき混ぜにより加熱・味ムラなし
- オートメニューが豊富
- がっかりポイント
-
- 洗うパーツが多めでお手入れは手間
- 幅
- 330mm
- 奥行
- 282mm
- 高さ
- 240mm
- 重量
- 5.2kg(約)
- 型番
- KNHW16GB
シャープ「ホットクックwith KN-MN16H」
- 総合
- おすすめポイント
-
- 本体が比較的コンパクト
- パーツが少なくお手入れが簡単
- がっかりポイント
-
- 味・食感にムラが目立った
- 幅
- 316mm
- 奥行
- 308mm
- 高さ
- 221mm
- 重量
- 3.9kg(約)
- 型番
- KN-MN16H-B
T-fal「クックフォーミー CY8768JP」
- 総合
- おすすめポイント
-
- 炒め調理に対応している
- 圧力調理により短時間で食材に火が通る
- がっかりポイント
-
- フタを開ける際に蒸気が立ち上る
- 幅
- 324mm
- 奥行
- 314mm
- 高さ
- 268mm
- 重量
- 4.8kg(約)
- 型番
- CY8768JP
実際に調理してみたできと使い勝手は?
肉じゃが
シャープ「ホットクック pro KN-HW16H」
「ホットクック pro KN-HW16H」は、まぜ技ユニットを本体にセットし、具材と調味料を入れてスイッチオンするだけで肉じゃがが完成。
ほか2製品では具材の上の部分と下の部分とで食感や味しみに多少ムラがあったものの、こちらは自動かき混ぜ機能により具材の全てがやわらかく、ムラなく味がしみ込んでいました。
とくにじゃがいもは、口の中でほどけるようなホロホロ、ねっとりとした食感が感動モノ! 醤油の味わいが強めなものの、調味料の配合をアレンジすれば究極の肉じゃがを手軽に作れそうです。
じゃがいもや玉ねぎの状態がやわらかくていい感じ。材料を入れるだけでこれができたら上出来です!
お肉が柔らかく、じゃがいもは滑らかに仕上がっていておいしいです。味のしみ具合もGOOD。
シャープ「ホットクックwith KN-MN16H」
「まぜナビ」に従って具材をかき混ぜる。
まぜナビはこんな感じ!
やや加熱ムラがあり素材の味が目立った。
新モデル「ホットクックwith KN-MN16H」で作った肉じゃがは、にんじんがやわらかく、じゃがいものホクホク感も上々ですが、玉ねぎがところどころしゃっきりとした食感。T-fal同様だしや調味料がしみている感じはなく、素材感が目立つ仕上がりでした。
T-fal「クックフォーミー CY8768JP」
高温で炒めてから圧力調理を開始。
具材はやわらかいけれど、味しみはあと一歩。
「クックフォーミー CY8768JP」は、具材を炒めてから圧力調理にかけるためか、お肉が少しパサつき全体的にやや油感強めの味わい。短時間でじゃがいもや玉ねぎがやわらかく仕上がったものの、味のしみ込み具合はあと一歩でした。
ブリ大根
3製品とも火は通ってるけど食材の旨みをイマイチ引き出せず……。
ブリ大根は全体的にパサつき、米は炊けているけど甘みが薄いです。
シャープ「ホットクック pro KN-HW16H」
薄めの味わいだが火の通りは上々。
ブリの臭みはなく大根にも火が通っているけれど旨みの凝縮が足りず。味は薄めでした。
シャープ「ホットクックwith KN-MN16H」
ブリはかためだけど大根の甘みが際立った。
ブリは少しパサつくものの、旨みが汁に溶け出て大根にしみ込み、甘みも感じられます。
T-fal「クックフォーミー CY8768JP」
大根の火の通りはいいが煮詰まりが物足りない。
味のしみ込み方がイマイチで素材の味そのままな仕上がり。ブリの臭みがないのは◯。
炊飯
シャープ「ホットクック pro KN-HW16H」
お米にハリがなくゆるめの仕上がり。
ややベトつく食感ですが、少し蒸らすともっちり感も。お米の旨みは物足りず……。
シャープ「ホットクックwith KN-MN16H」
やわらかくて甘さと旨みは控えめ。
米粒のフチはムチッとしているけれど中はゆるめ。甘さと旨みはさほど感じませんでした。
T-fal「クックフォーミー CY8768JP」
しゃっきりしすぎて単体で食べるには△。
お米の粒立ちはいいものの、膨らみが足りずボソつく食感。チャーハンやカレー向きです。
手動調理(グリーンカレー)
新モデルは手動調理に難あり。味の一体感がイマイチでした。
シャープ「ホットクック pro KN-HW16H」
マイルドな味わいに仕上がった。
まぜ技ユニットをセットし鶏肉を4分加熱し、残りの具材やペーストを入れてめんをゆでるモードで10分加熱。炒める工程がない分辛みはマイルドで、鶏肉の旨みが溶け出て一体感のある仕上がり。
シャープ「ホットクックwith KN-MN16H」
個々の素材の味と食感が残った。
ドライカレーモードでまぜナビを使用。辛みはマイルドで、ナスの食感や鶏肉の風味が個々に感じます。
T-fal「クックフォーミー CY8768JP」
ナスがトロトロ!炒めが効いてピリ辛に。
食材とペーストを160℃で4分炒めたことで辛みが引き出され、圧力調理でナスはとろけるような食感に。
使い勝手
料理慣れした人にはT-falの炒め機能も◯。
T-fal「クックフォーミー CY8768JP」
まるでコンロで調理しているみたい。
メニューを選択すると食材なども教えてくれる。
弱火・中火・強火に手動で温度設定ができ、料理慣れした人ならコンロを使うような感覚で調理が可能。調理手順だけでなく食材・分量も教えてくれるから、初心者にも◯。
高温160℃は少し物足りないけれど、フタを開けたまま食材を炒められるので、手動調理に最も向いています。
シャープ「ホットクックwith KN-MN16H」
パーツが少なく洗い物がラク。
液晶画面が大きく、視認性は◎。また洗うパーツは、内鍋、内ぶた、つゆ受けの3種類でお手入れがラクちんです。
シャープ「ホットクック pro KN-HW16H」
今まで通り使いやすいです。
材料と作り方を画面と音声で案内。ユーザーの使いこなし状況に合わせたメニュー提案もしてくれます。ただし、洗いにくいパーツもあり。
まとめ:簡単に使えておいしく仕上がるのはホットクックのハイエンドモデルでした!
以上、ホットクックの新製品と従来のproモデルにティファー ルの電気圧力鍋クックフォーミーを加えた計3製品の比較でした。
3製品の調理で仕上がりに差があったのは、肉じゃが。自動かき混ぜ機能を搭載した従来のホットクック(シャープ「ホットクック pro KN-HW16H」)は食材に味が満遍なくしみ込み、じゃがいもは口どけのいい食感に仕上がりました。
一方、かき混ぜを1回行った新ホットクック(シャープ「ホットクックwith KN-MN16H」)は野菜に固さが残り、味のしみ込み具合もイマイチ。圧力調理のT-fal「クックフォーミー CY8768JP」は食材のやわらかさは申し分ないものの、こちらも味のしみ込みはあと一歩足りませんでした。
ブリ大根は、食材が大きく火を通すのが難しいためか3機種とも味の凝縮感が物足りず、炊飯もムラが残ります。
手動調理したグリーンカレーの場合、少ない手間でマイルドになる従来モデルと、辛さが際立つクックフォーミーが好印象です。
総じて、新ホットクックは手間がかかる上に仕上がりにムラがあるため、自動調理なら従来モデル、コンロをひと口拡張する感覚で手動調理をするならクックフォーミーに分があると言えそうです。
ぜひ記事を参考にしてみてください。
新旧モデルの「かき混ぜ」機能に注目です!