連れて往け
〈勇者一行は、魔王を倒し世界を救った。エルフの魔法使いであるフリーレンはその一人。
平和が訪れた世界で彼女が直面したのは、苦楽を共にした勇者・ヒンメルの老衰と死であった。たった一つの後悔は、彼女を再び旅へと向かわせる。〉
ただ知りたい、その想いの反復。
少年サンデー連載の注目作がマッドハウス製作でアニメ化。初回数話は金曜ロードショー枠での放送 + 2クール連続と、関係各所から期待されていることが分かる。
魔法の存在する世界、魔王が倒された後という世界観。自由を極めた魔法バトルと並行して、フリーレンの持つ時間スケールの大きさが導く数々のドラマ。加えて日常・シュールギャグ・シリアスなど複数ジャンルを内包されている点。これらの掛け合わせにより、面白さが静かに大爆発している。キャラクターにコミカルさと深みが両立しているのが特に良い。
年単位で描かれる物語に、フェルン・シュタルクの老いや死別までも描くのだろうか…という期待とも恐れとも言えない感情がある。
そんな想像をしてしまう程に、壮大という言葉がこれほど似合う物語はなかなかない。