永井豪のロボットアニメ「UFOロボ グレンダイザー」は大好きな作品だった。1975年のテレビシリーズはもちろん、翌年の劇場版「決戦!大海獣」にも大興奮した小学生。「およげ!たいやきくん」のレコードを買うために親からお金渡された僕は、お釣りで「グレンダイザー」のレコードを買って帰った。「誰が買っていいと言った💢」と叱られたw。
毎度つまらない昔話まじりですみません😣
それからウン十年後、現在の僕は、リメイク「グレンダイザーU」にちょっと期待していたのだ。しかし…
…ん?🤨
オープニング映像に強烈な既視感。なんじゃ、「機動戦士ガンダムSEED」とクリソツじゃん!。同じ福田己津央監督だとは聞いていたけどまさかここまでとはw。
本編はフリード星の事件から始まる。グレンダイザーが暴走して破壊の限りを尽くすというショッキングなエピソード。ベガ星連合の追手から逃れてやってきた地球で、兜甲児ら「マジンガーZ」の面々と知り合うことになる本筋は同じなのだが、13話を通じてデュークと婚約者ルビーナとその姉テロンナをめぐる壮大な三角関係のドラマを見せられることになる。
勝気な美少女牧場ひかるも、ワイルドな牧場団兵衛も出てこない。ひかるは主人公たちを導く巫女のような謎めいた存在に改変されている。ひかるちゃんの華麗な乗馬姿はどこ?勇敢で困難に挫けないデュークはどこ?
テロンナとルビーナを戸松遥が二役で演じているのは見どころで、見事な演じ分けになっている。
永井豪作品らしい激情に駆られる主人公やお色気はとんでもなく薄味で、確かに物足りない作品ではある。地球人を精神的に追い詰めてグレンダイザーにヘイトが向くようにしむけるベガ星連合の作戦はあの「ダークナイト」を思い出させるが、その描写も意外とあっさり。主人公が守ろうとしたものから裏切られる展開は永井豪作品では印象深いものがあるだけに、オールドファンにはこの程度か?甘い!と思っちゃうところだろう。
そうした逆境に向き合うクライマックスで、兜甲児がデュークを信じぬいた場面はなかなか感動的だった。僕がそう感じたのは、小学生の頃に見た「グレンダイザー」で、兜甲児がデュークに語りかけるある場面が強烈に心に残っていたからだ。
兜甲児(CV 石丸博也)「大介さん、"人"っていう字を知ってるかい?」
人と人は支え合うもの。それを兜甲児は、漢字の「人」で説明したのだ。宇宙人が漢字知らねえだろ!🤣と子供心に思ったけれど、好きな場面で強く印象に残っている。これ「3年B組金八先生」で人の字が語られる神回の10年前だぞ。
旧シリーズで心に残っていた人の字スピリットだけは、最終回の兜甲児に生きていた気がした。こんなこと考えたのは僕くらいだと思うのだけれど。