なつそら

生きる LIVINGのなつそらのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
3.6
【言わずと知れた黒澤明作品のリメイク】

私が黒澤明の「生きる」を見たのが、今から14年前の36歳。
ちょうど黒澤明生誕100年で集中的にレビューをあげていた時期。
まだ当時は映画を見るのは早かったかな?なんてレビューをしている。
そんな作品をノーベル文学賞をとっているカズオ・イシグロが脚本したリメイク作品。

主演はビル・ナイ。
ちょっと見た目の年齢に違和感を感じるけど、リメイクとしてはとても良かったのではないでしょうか?
ただ、個人的にはハッピーバースデイのシーンが無いことがとても残念です。あのシーンは生と死の対比が生まれるとても大事なシーンだと思ってました。

それ以外は同じ構図にしていたり、うさぎのおもちゃを採用したりとオリジナルへのリスペクトを感じられて、とても好感の持てる作品でした。

また、生きるということに対する解釈の違いがたくさんあり、それをオリジナルと比較すると面白いと思います。

リメイクの方が好きだったのがスコットランド民謡の採用とビル・ナイの歌声。
歌詞の内容と彼の歌声には自然と涙が溢れました。その部分もオリジナルとの解釈の違いがあるのも面白いです。

14年前にオリジナルを見た時には心にあまり響かなかったけども、歳を重ねた今ならまた違う感想を持てるかもしれないので、いつかまたオリジナルを見てみたいと思う。
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