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太陽と桃の歌のemuのレビュー・感想・評価

太陽と桃の歌(2022年製作の映画)
4.2
桃農家を営む一家と、その環境を取り巻く時代の変化。登場人物たちの誰かに絞って焦点を当てるのではなく、感情移入もさせず、最後までただ一定の距離からフラットに見つめていくカメラの距離感が良かった。時折ふとやってくる映画的マジックアワー。今のままでは決していられない、その先がハッピーエンドの向こう側でないとわかっていてもなお、これからやってくる新しい時代に取り残されて立ちすくんだままではいられないのだと。薙ぎ倒されていく木々を、異物感漂うソーラーパネルたちをみながら他人事ではないと改めて思う。ずっと楽しみにしていたカルラ・シモンの新作、見ることができて本当に感無量です。
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