物語は、繁華街に建つ巨大ビル・重慶大厦(チョンキン・マンション)を舞台とする第1部と、その付近にある惣菜屋「ミッドナイト・エクスプレス」を中心に展開する第2部からなる。
第1部で描かれるのは、〈期限〉と〈資本主義〉の物語。1994年4月1日に恋人のメイから別れを告げられた刑事・モウ(金城武)は、その日から彼女の好物のパイン缶を毎日買うようになり...
第2部は、フェイ(フェイ・ウォン)が常連客の警官663号(トニー・レオン)に恋し、彼のいない自宅に通いつめる。
90年代中頃の混沌とした香港のストリートを映し出している現代劇という点で、カーウァイのフィルモグラフィーの中でもすごく貴重な一本。いまやどこにも存在しない、歴史的にも地理的にも特別な場所と時代。
誰もが味わったことのある切なさやときめきなど"恋する感覚"を、新鮮なまま閉じ込めたかのようなオリジナリティあふれる世界観。
当時のわくわく感やきらきらした魔法のようなオーラを纏っている、観終わった余韻がいい映画です。
【90年代名作上映「Filmarks 90’s」第9弾】 リバイバル上映にて鑑賞
製作30周年記念!