トランシルヴァニアといえば、僕を含めた日本人は、“ドラキュラ”くらいしか連想しないだろう。僕らは、ルーマニアに関しては無知だ。ところが、この「ヨーロッパ新世紀」の小さな村で炙り出される
”新世紀“は、明日の日本そのものだ。
多民族、多言語、少数民族。貧困と失業。経営者と地元労働者、出稼ぎ労働者。宗教と伝統。混沌と変化。
夫婦と家族、父と子。日常に潜む分断を大胆なモンタージュで切り取る群像劇の断面図。
原題の“R.M:N”とは、日本でのMRI(核磁気共鳴画像法)のこと。本作は、未だ言語化できない我々の脳をスキャンして、病理を剔出する映画だ———小島秀夫(ゲームクリエイター)
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見たことで言葉を失った少年。
見終わった瞬間、それは自分たちのことだと思えた。
言葉を発しなければいけない。
少年が再び言葉を取り戻すように。
ヨーロッパだけでなく、この日本での事態に対しても———瀬々敬久(映画監督)
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集会所のシーンの「排斥感情」と「貧困」の答えの出なさが絶妙で・・
企業からしたら地元民に募ったけど応募がないから外から連れてきて
住民からしたら賃金が安いから受けられない
(だから海外の人がやればいい→でも嫌)
みたいな感じで、これって日本でも起こっていることだよなあと。
そこに「言語」というテーマが絡んできて、なるほど「ヨーロッパ新世紀」か・・と震えました。
村モノということで「理想郷」も観てみたのですが、あちらも傑作ですが個人VS個人の物語だったため、本作のほうが根深い「いま」の映画だと感じました———SYO(物書き)
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