粗大

ウエスト・サイド物語の粗大のネタバレレビュー・内容・結末

ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

テーマ性として置かれた環境で作られる差別や偏見の深化と連鎖する憎しみだということもあってカタルシスはないし見終わった後も気分悪い
伝えるという意味では名作なんだろう

時代、人種、環境様々な価値観の違いもあるだろうがキャラの思考や行動的に好きになれる人物がほぼいない

久し振りにインターミッション入る映画見た
二人以外をぼやかす映像表現、廃れたものかもしれないけど逆に新鮮

プエルトリコ系
移民はいつまでも移民という認識
だいぶ柔らかめに楽しげになっている
決闘という名の殺し合いで実際に死人が出た際にも適用されかなりミュージカルは強め
憎しみの連鎖と、1集団内へのこだわり、つながりの更なる強化への遷移がみごと

こういった時代で軽く見られがちで実際そういった描写も多いが女性の多面性も表れている(からかわれているトムボーイ的女性がトニーを助けたり)

ギャングのプライドというものもあると思うが、嫌な人種および育ち差別の警官が共通敵になることでより正面衝突感の軽減
というより結果的に溝も深まったため、貧困、差別を深めていく社会構造の象徴として描いた感じか

マンハッタン、アッパーウェストサイドで起こるギャング抗争、地理的にはイーストハーレム、スパニッシュハーレムからあまり離れていない
プエルトリコ系は米国領で米国パスポートも発行されるため、厳密には移民ではないがスペイン語を話すなどの特徴により迫害される

トニーもやはりギャングに属していたということもあり、解決策の上手い提示が出来なかったり咄嗟の怒りで殺すなど環境要因の人格形成の強さも見られる
マリアは純粋すぎるというのもあるけど、不用心すぎるのと物わかり悪い部分も目立つ
ただこの2人だからこそ盲目的な愛以外に目を向けられず結果的に人種間のわだかまりを超えることをも可能としたという捉え方もできる

トゥナイトは名曲だけど個人的にはクレイジーボーイ(クールボーイ?)が好きだった

マリア綺麗だけど絶妙にムカつく顔してる
アニタをジェット団が襲うシーンかなり不快、めちゃくちゃ酷いことは行為としてはしてなくても気持ちを踏みにじるという意味で
共感できるキャラが基本的にドクくらいしかいない
粗大

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