佐野元春の活動30周年記念に制作されたWOWOWドラマ。音楽監修が佐野元春。『Coyote』というアルバムがあるようで、そのコンセプトが海を渡ったら、というようなテーマなのだろうか。
堤幸彦がそのアルバムに感銘を受け企画に至ったらしい。堤も、ブラジル男を演じる佐野史郎も、佐野元春と同世代の音楽を聴いてきたとか。
佐野元春フィーチャーだが、別に本人自体を掘り下げるわけではない。
大学生が、ある人の足跡を追ってビート(含ヒッピー、ボヘミアン)の聖地を周ることになる。その辺のカルチャーが好きな人には良さそう。ファンか少なくともその世代に向けた作品。
その話だけにせず、ブラジルの男も並行して描かれているのはおもしろい作り。こちらのほうは直接佐野元春にもビートにも関係ない。
とてもゆっくりとした映画。物語は完全別軸の二本立てなのでそこまでどっぷりする必要もなく軽快に観られる。深夜とかにぼんやり観るのに向きそう。
あらすじ---
ある大学生の男が一人ニューヨークを訪れる。しかしどうやら観光旅行に来たわけではなさそう。英語も全く話せないので、たまたま現地で出会った日系人女性にガイドを頼むことに。
一方、ブラジルを訪れる中年の男。ある場所へ向かっているようだが、どうも沈んだ表情。鞄の中にカメラを持っているが観光でも取材でもなさそう。ノリの合わない住民たちにも困惑しっぱなし。
こちらもなにか特別な目的があるらしく……。