TVシリーズ未履修だが、前提を軽く入れれば問題無いとのことで鑑賞
まず目を引くのはやはり映像表現!!
今のアニメらしい人物造形に、綺羅びやかで鮮烈な色彩、和紙のテイストのあるざらついた質感を乗せる唯一無二の絵面
TVシリーズでもあったであろう表現が十年以上の時を経て、現在の技術で新たに紡がれ、それを観るだけで圧倒されてしまうとんでもない情報量
間違いなく現代日本アニメーションの最先端、これを劇場で観るというだけでも特大級の価値がある
物語に関しては、三部作の一編として様々な謎を残しつつも、モノノ怪唐傘を巡る話としては綺麗に完結しており、続き物だから不完全燃焼ということもない作りになっており好感が持てる
江戸の大奥という舞台を現実社会に置き換え
(男性にも言えることもあるが、特に女性が)社会の一員として生きるなかで何を選択し、大切に抱えて生きるのか、そのような事を問いかける重層的な物語は一筋縄でいかない深みを持ち、映像、台詞の一つ一つに意味があり
一度の鑑賞で全てを理解するのは難しい
その仕掛けを解き明かすように何度も観返すことで新たな発見がありそうな
そして複数回鑑賞に堪えうる強度を持った噛めば噛むほど味が出る作品
是非劇場に足を運ぶことをオススメします、必見作