よっしー

カムイのうたのよっしーのレビュー・感想・評価

カムイのうた(2023年製作の映画)
3.5
「カムイのうた」

メルカリで前売り券が安く出品されていたので鑑賞したけど、想像以上の出来で驚いた。前に予告を見た時はビデオカメラかスマホで撮ったみたいな締まりのない映像だったのに、本編は邦画の中でもトップレベルなんじゃないかと思うような撮影のシーンもあった。しかも内容も面白い。
迫害を受けたアイヌ民族の伝統を後世に伝えるために記された「アイヌ神謡集」の著者である知里幸恵と言語学者である金田一京助をモデルとした作品で、自民族の言葉を伝承させようと奮闘する姿は日本統治下の韓国においてハングル文字を後世に残した人たちを描いた韓国映画「マルモイ ことばあつめ」っぽさがあった。
明治初期に虐げられていたアイヌの回想シーンがあるのだが、ここの衣装には非常に力を入れていた。「ゴールデンカムイ」の自然の中で暮らしているのに汚れひとつない衣装とはえらい違いである。実写版の「ゴールデンカムイ」と同時期に公開された作品だが、合わせて鑑賞すると色々学びがあったと思うので、本作もシネコンで広く上映されて世に知られて欲しかった作品である。
エンディングソングも歌っている島田歌穂の劇中での歌唱力が素晴らしかった。
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