Maoryu

ハントのMaoryuのレビュー・感想・評価

ハント(2022年製作の映画)
4.0
1980年代、独裁政治下の韓国。安全企画部の海外班長パク(イ・ジョンジェ)と国内班長キム(チョン・ウソン)はワシントンで大統領暗殺を阻止するが、機密情報を北朝鮮に漏らし続ける局内のスパイ捜査を命じられる。やがて、お互いに疑惑を向けて対立する2人だったが、実はそれぞれに隠された計画を持っていた。

韓国映画が得意とする近代政治ネタと裏切りのドラマを組み合わせた、なかなか見ごたえのあるアクションスリラー。

最初は全斗煥を巡る歴史ドラマかと思ったら、ワシントンと東京で「ヒート」ばりの銃撃戦が始まり、荒唐無稽なストーリーに流れ込んで大混乱。
ただ、完全なフィクションなんだと割り切って観てみると、2人の男の別の企みが、ただ1点で交わるという巧みな脚本で、派手なアクションもあって楽しめた。

以下、ネタばれあり。

終盤の北朝鮮による侵攻作戦や、バンコクでの大銃撃戦に爆破はやり過ぎ。笑
それに、外国要人が来るのに警備がザルだし、そもそも、あの場面まで両次長が解任されてないわけがない。

そこはおいといて、暴力の連鎖を断ち切ろうとしたパクの行動によってキムは死に、パク自身も命を落とす展開はシュールで趣きがあった。
それに、チョ・ユジョンといういかにも無害な小娘が、鍵を握る存在だったってのも良く出来てる。最後の銃声できっと彼女も消されたんだろうなー。演じたコ・ユンジョンのこれからに期待だ。
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