記録用
トッド・フィリップ監督作品。
前作レビューでも書いたように製作側の思惑以上に影響される人たちが多くアンサーとして作られた側面も大きいだろう。
スコセッシもタクシードライバーの時も劇場の反応が違い驚いたという話は有名である。
冒頭の「ルーニーテューンズ」風のアニメにはワクワクしたがもうちょっとワーナーさんに手伝っていただけなかったのだろうかシルヴァン・ショメ監督は作風も違うだろしルーニーテューンズファンも困惑しそうだが。
アニメーションで今作の概要が全て提示されたが、、。
今作の全てに言えることであるがもう影響されるような人物を出さないように物語に徹底的に潰しに来るのはやりたいことがわかるが親切に妄想の中でのミュージカルも微妙にわざと下手に仕上げる。
わざと盛り上がりを作らないように慎重に調節する。
映画のファンの反応と入れ子構造にするように再現ドラマをみたガガや信者への信頼失わせる徹底ぶりはわかるがここまで潰しつまらない、共感したくないの思わせる作りにしたいのわかるが。
ジョーカーでやらなくてもという気持ちとジョーカーだからこそやらなくてはいけないのではという気持ちのせめぎ合いで葛藤しながら鑑賞した。
結局ハーレイ・クインの存在がややこしくなりバットマンといつもみたいにイチャコラしてるほうが良かったんではないか?
アーサーが嫌々道化を演じていて似たような存在のブルースウェインと仲良くなりたい。ブルースウェインは私人逮捕系青年として自分は正常だと思い込んでいてアーサーを突き放す方が二人はある意味「フォリ・ア・ドゥ」なわけだし。
その元凶が前作でもあり今作でもあったバットマン世界も小ネタだ出しが良くなかった。
小ネタは一瞬の喜びを与えてくれるかもしれないが作品のスパイスになるにはもっと上手くやらないと。
子供ブルースウェインだせばもう年齢的にバットマンは出せないし今作も無駄にハービーデントの顔が焼かれていたのもファンへのご褒美になるかは疑問。
まとめると前作の後半のようにジョーカーに暴れて欲しい観客は寸止めされ
別にアーサーという弱い男性の物語でも良いと思っている観客は演出が抑制され過ぎているためそもそもが中途半端な印象を持たれる。
非常にどっちつかずで勿体ない。
批評でボロカスに酷評されるほど酷くはないが賞賛するポイントなかなか難しいという、、、。
監督はデビュー作にGGアリンのドキュメンタリーを撮っていることから日本も含めて世界のミュージシャンやコメディアンに多い自己プロデュースによって創られた一面を持つ表現者の悲哀に寄り添う映画を撮り続けているのでこれが集大成といえば集大成か?