このレビューはネタバレを含みます
歌舞伎町で探偵が宇宙人探しだと?
しかも主演が伊藤沙莉?
興味を感じて観てみた。
でもね、観る前のイメージとは違った内容だった。
そもそもタイトルからミスリード誘ってる気がしてしまう。
このタイトルだと、女探偵を中心にした物語って先入観を持ってしまうんじゃないだろうか。
ところが実際の内容は、主人公マリコのエピソードと、彼女が探偵業の傍ら営むバーに集う人々のエピソードを描いたオムニバス作品。
実際の内容からイメージするタイトルは“探偵マリコと面倒な仲間たち”といった感じだろうか。
軽くハードボイルドな雰囲気があり、新宿で生まれ育った女探偵が主人公。
そして店には、個性豊かな人々が様々な事情を抱えてやってくる。
いかにも探偵ドラマっぽい設定だけど、ワシは松田優作のドラマ『探偵物語』っぽい雰囲気を感じた。
探偵ものというと『探偵物語』を思い浮かべるのって、完全に昭和の感覚だね。
我ながら気恥ずかしい。
この作品についての情報は、配信サイトで読んだあらすじのみだったので、歌舞伎町で宇宙人探しをする映画作品なんだと思ってた。
ところがそれは作品を貫く縦軸の話であり、複数あるエピソードのひとつでしかなかった。
オムニバス形式の作品だと知らなかったので、はじめのうちは「これってどうなってんの?」と思ってしまった。
そしてワシは宇宙人探しの話が観たいのに、他の登場人物のエピソードが描かれるもんだから、ずっとおあずけ食らわされてる気分だった。
そういう部分では期待外れだったと言えそう。
2時間足らずの上映時間に、うまいこと6つのエピソードが詰め込まれている。
探偵ドラマの外箱に、様々な人間ドラマを詰め合わせてるイメージ。
どの物語もひと癖あって、異なる味わいが楽しめる。
しかしながら、どのエピソードも小粒な印象を受けてしまった。
ショボいということじゃなくて、もっと深く掘り下げた厚みのある物語を、長尺で観たかったなぁ〜って気分。
北村有起哉をはじめ、それぞれのエピソードの主人公が魅力的だっただけに、もっと観たくなってしまった。
ワシは「姉妹の秘密」エピソードが好きだなぁ。
あくまでワシの好みだが、このエピソードに登場する姉妹のキャラは、探偵マリコを食ってしまってるんじゃないだろうか。
それほどまでに、キャラクター的にも物語的にも面白くて印象的だった。
あんなねっとりしたキスシーン見せられたら、もうその後のエピソードなんて頭に入って来ねーよ笑
思ってた感じの作品じゃなかったので、かなり印象を損ねた部分がある。
それでも作品の雰囲気は好きだし、それぞれのエピソードもそこそこ楽しめた。
映画でもいいんだけど、むしろテレビドラマでやるのもアリじゃないか?と思ったりする。
しかしテレビだとヌルい内容になってしまって、この作品のような癖のある味わいは出せないだろうなぁ。
今回は、そんな感じでした。
余談。
本人役で出演の矢部太郎の、いかにも芝居がかった台詞が草