ワンコ

アトラスのワンコのレビュー・感想・評価

アトラス(2024年製作の映画)
4.5
【AIを考えてみる】

※Netflix作品
あまり感想になってない気もする。

これからもAI(人工知能)を副次的なテーマにした作品は増えるんだろうなと思う。

初めて映画でAIを大きな存在として認識したのは「2001年宇宙の旅」のコンピュータ”HAL”だった。

神の領域に近づこうとする人間に対し、神を恐れる、ある意味、より人間的な、そう、逆説的な存在だった。

その後、ブレードランナーのレプリカントのように、自らの死を恐れる更に人間的な存在として描かれたこともあるし、映画「A.I.」もそんな感じだったと思う。

アトラスに対するスミスの問いは、もっとストレートだ。

AIとはどんな存在なのか。

万物に魂は宿るなんて、八百万の神と共にある日本人としてはどう考えたら良いだろうか。

針供養とか、裁縫の針にまで魂の存在を感じているのだから、AIにも魂を感じるのだろうか。

死者に平安を。

冒頭にアトラスが言う”滅んだネアンデルタール人”も死者を手厚く葬り、それだけでなく、年老いたり、怪我を負った仲間を見捨てず共に暮らした形跡もあるのだ。劣っていたから滅んだんじゃないだろう。

人間は失敗から学ぶことが出来る存在だ。
他の動物にも学習するものはいると思うが、合理的に体系付けて反省し考えられるのは人間だけだろう。

それに、花に美しさを感じたり、悲しみを心に閉じ込めたり、後悔したり、逆上したり、喜んだり、仲間の死を悼んだり、人間とはそんな複雑な存在だ。

AIも指数関数的に人間を学ぶのだろうか。

ビル・ゲイツは、ネットはソクラテス問答法が繰り広げられるのではなく、クレイジーがクレイジーを呼び寄せる場所になってしまったと嘆くと同時に、AIは人々のパーソナルなコンシェルジュのような存在になると思うと言っていた。

スミスのような存在だ。

もし、そうであれば素晴らしいと思う。

人間はとても非合理な存在だ。
だから、ちょっと助言があって、合理的になれれば世の中はもっとスムースになるかもしれない。

まあ、プーチンだの、習近平だの、ネタニヤフだの非合理で暴力的な存在は心配だけれども…。

映画は示唆もあって、バトルも迫力があるし、Netflix作品特有の低評価もありがちだけれども、僕は面白かった。
ワンコ

ワンコ