「アニメーションでしかできないこと」をちゃんとやってる、粗削りだけど「オリジナリティの塊」の作品。
もともと安田現象さんを旧Twitter で知ってフォロー、投稿されるショートアニメを欠かさず見て楽しんでいたので、長編デビュー作はどんなものになるのか楽しみにしていました。
【映像】
文句なし!これぞ安田現象ワールド、という細やかなこだわり、アニメーションでしか成し得ない表現、大胆なカメラワーク、全て堪能させてもらいました!アニメ作品、特に劇場版では「これ、アニメじゃなくて実写でよかったんじゃね?何のためにアニメにしたの?」と言いたくなる、アニメーションとしての魅力がかなり欠けてる作品に出会うことがあります。その視点で見た時、本作はまさにアニメーションであることをこれでもか!ってくらい活かしきってると思いました。
【ストーリー・脚本】
冒頭の入り方はとても良かった!
全体としては完全にファンタジーで、ツッコミどころも多々あるので、リアリティ重視の方は見るの辛いかもしれません。脚本はやや粗削り。「ここ、もう少しもったいぶっても良かったんじゃ?」「もうちょい緩急欲しいな」とか思いながら見ました。ちょっと難解で分かりづらいところも。ただ、全てが安田現象の世界観と繋がってると思うと、まずはこのまま受け入れるべきなのだろう、と思えました。自分は安田現象ファンなのでそこはちょっと甘めの評価になったと思います。知らない監督でこの脚本で見せられたら「え、わかんないんだけど・・・モヤモヤする・・・」ってなったかもしれません。もしかして続編とかあったりするのかしら?
必ずしも万人受けはしないであろう仕上がりですが、安田現象の世界観そのままの作りを許してくれた出資者や配給の角川ほかビジネスサイドの方々に感謝したいです。