2022.10.30(245)
U-NEXT
初
今月いっぱいでU-NEXTでの配信終了しちゃうよシリーズ!
今作の金子監督は私のツイッターのフォロイーさんが親しくなさっているようで、どんな方なんだろうとツイートを拝見。今作は監督の自伝的な作品で主演も務めたとのこと。印象的なタイトルも気になり、ぜひ見たいと思い鑑賞。
ちょいちょいセリフが聴き取りづらいところが気になったが、それを上回る勢いで、監督が全身で訴えていることが伝わってきたように感じられた。
家庭内で上手く生きられない、また家族の中にいて全ての歯車が噛み合わないということは、実は結構多くの人が経験していると思う。成長し家を出て独立し、やっと羽を伸ばせたと感じる人は少なくないはずだ。だが今作の主人公はまだ高校生で親の庇護のもとに暮らしている。それ故の悲劇。
タイトルが素晴らしく秀逸で、描かれていること全てがタイトルに集約されていた。
私に子どもがいたら監督くらいの年頃だろう。今の若い人たちは、私たちが彼らと同じ歳だった時と全然違っている。30歳くらい歳が離れているのだから当たり前なのだが、それにしてもとても違っていて、子どもたち同士でもこんなに「気を使うが故のサラッと感」で接し合うのか……と驚いた。こんな風な子がいたらハグして頭を撫でてあげたいくらい大変な緊張感の中を生きているように見えた。
金子監督が己の狂気を俯瞰出来る術を持ったのは、映画というものの可能性に出会ったからだろう。映画は人を救うことが出来るのだ。