たつなみ

機動戦士ガンダムSEED FREEDOMのたつなみのネタバレレビュー・内容・結末

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

SEEDは一応Destinyまで観てるけど、やっぱりファースト原理主義者の私からすると「何か違うな…」と感じる。
でもそう思いながら[ガンダム』を名乗る作品だからそれなりに楽しんで観てたりする。
本作も正にそんな面倒くさい心理状態に陥りながら鑑賞。

人間の醜い権力欲とか、それによって巻き起こされる紛争を描いているのに、恋愛要素は要らんだろ…というのか率直な感想。

戦場にカワイイ女の子がいっぱいいるのは百歩譲って見逃すとしても、命をやり取りする戦場で好きだの嫌いだのって何なの…?

ともあれ前シリーズでキラ達が潰した「ディスティニープラン」だが、世界にはまだそれを肯定している者もいる。
でもこれは選民思想というやつで、現代のロシアとか中国とか北朝鮮の全体主義に通じるとても恐ろしい思想。絶対に肯定できない。
キラは自分のした事が間違っていたのか?とウジウジ悩んでいるが、もっと彼は自分のした事に誇りと信念を持っていい。

それから、何だかんだあって「愛が最も大事」とか、「人々がもっと話をすれば分かり合える」みたいなお花畑論を展開しているが、人対人の関係ならまだしも、自国の利益をぶつけ合う国と国の関係にそれを持ち込むのは「幼稚」としか言いようがない。
そして、そんな綺麗事はガンダムという一騎当千の圧倒的な戦力が背景にあることを忘れてはならない。
相手に一目置かせる様な圧倒的な「力」がなければ、弱肉強食の国際社会でラクスの話なんか響くはずがない。
せっかくムウさんやマリューさんとか、沢山の大人たちがいるのに、キラたち若い連中にその辺りを語って彼らを勇気づけてやる人物が一人もいない。
いいキャラいっぱい居るのにもったいないよ。

キラが世界に対して抱えているモヤモヤは
アスランの「修正」後
「ラクスに会いたい…」
「じゃあ会いに行こう!」
でどっかに行ってしまう。
みんな優しいんだね…。

それにしてもあからさまなファースト世代接待はいつまで続くのか。
ゲルググ、ギャン、ズゴック(登場シーンがまんま『ジャブローに散る』)という分かりやすいものから、ギレンみたいな演説とか、「修正」とか…多分マニアックなものが沢山あるんだろうな。
あと、アグネスはルックス的にもエキセントリックな言動からもクェスのオマージュだろう。

何をやってるのかよく分からない戦闘シーンは迫力があって良かったし、豪華声優陣の演技力はとても良かった。
でも正直配信で十分だと私は思う…。