銀幕短評(#742)
「神回」
2023年、日本。1時間28分。
総合評価 マイナス43点。
みんなが大好き、時間ループもの。
高校の教室を舞台に、同じ5分間を延々と生きる。
映画のまんなかくらいまでは とてもよかったですよ。トム・クルーズの「オール・ユー・ニード・イズ・キル」的な成長譚だと、主人公の。しかし後半はとたんに大失速しました。卑劣というか腹黒いというか浅ましいというか、とにかくあの邪悪への嫌悪を払いのけることができなかった。ポイントオブノーリターンをやや過ぎ、ここで観るのをやめるほうが得策でしたが、前半の善戦に ほだされて、失地挽回に期待してさいごまで観ました、ずぶずぶ沼に さらに深くはまりながら。これだけ砂をかむような映画を観たのはひさしぶりですよ。史上最悪の監督ですね 史上最悪の。そもそも表題の意味が不明だしなあ。
(以下、この映画の機微に触れる記述ですが、)
ひとの生きるのは、きのうや明日ではありえず いまこの刹那刹那(せつな)であることは、「ソウルフル・ワールド」や「オアシス」で書きました。安楽死について「パーソナルソング」、尊厳死については「ミリオンダラー・ベイビー」「PLAN75」で書きました。「痛くない死に方」もすてきな映画で それなりの感想文を書いたのですが、どこかの番外に流してしまったので、発掘不能です。番外流しも考えものですわ。