よっしー

ライオン・キング:ムファサのよっしーのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「ライオン・キング:ムファサ(吹替版)」

高校生の頃の自分にバリー・ジェンキンスが「ライオン・キング」実写の続編を撮るなんて言ったら信じないだろうな。「エターナルズ」といい、実力派の監督がこういう映画を制作してくれるのは本当に嬉しい。

マッツが出てることもあって初見は字幕と思っていたが、字幕の上映館が少なく、とりあえず4DX吹替版を鑑賞してきた。

ムファサとタカ(のちのスカー)、サラビとの出会いをファミリー向けではあるが、わかりやすく簡潔に描いていて好印象。実写化の意味を全く感じなかった実写版「ライオン・キング」の続編とは全く思えない出来。

ムファサとスカーの関係性が微笑ましいと同時に、オリジナルを知っているからこそ、悲しくも感じた。オリジナルを彷彿とさせるエモいシーンがいくつもあってファンは大興奮なのではないだろうか。

ただ、この実写版の内容からだと元々王になることを重荷に感じていたタカが自分が王になるためにムファサを殺すのもちょっと腑に落ちなかった。だからこそ、オリジナルを汚してしまう可能性があり、賛否両論分かれる作品だと思う。

「命の輪」と「先祖は心の中にいて、いつでも我々を見守ってくれている」という「ライオン・キング」の大きなメッセージが崩れることはなく、むしろしつこいくらいにそこに触れていたのは嫌いじゃなかった。

日本語吹替の出来も非常に良く、一番不安だったタカ役松田元太が、むしろ一番不自然じゃなかった。キロスに提案をしに行くシーンで、声が低くなるの凄くスカーを感じた。

あと吉原光夫と尾上右近もちょっと声と喋り方の雰囲気が似てるんだなと思った。吉原光夫は祖父、父、息子の三役を「ライオン・キング」で演じたという世界に唯一の人なんじゃないだろうか。和音美桜との夫婦共演もミュージカル好きからするとたまらない。

4DXのエフェクトも良かった。水を使った演出が多く、何度も顔がビシャビシャになるのだが、アトラクションに乗っている気分になれるので非常に楽しい。久しぶりに雪の演出もあったので心躍った。モーションも結構激し目なので、個人的にはおすすめ。
よっしー

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