同名の名作ディズニーアニメを、最新の映像技術を駆使して実写もアニメーションも超越した“超実写映画”として新たに映画化した2019年製作「ライオン・キング」の前日譚として、若き日のムファサ王とスカーの兄弟の絆とその軋轢の起こりを描く。
息子シンバを命がけで守ったムファサ王、かつて孤児だった彼の運命を変えたのは、後にその命を奪うスカーとの出会いだった。
両親を亡くし一人彷徨っていた幼き日のムファサは、王家の血を引く思いやりに満ちたライオン、タカに救われる。
血の繋がりを超えて兄弟の絆で結ばれたムファサとタカは、冷酷な敵ライオンから群れを守る為に新天地を目指してアフリカ横断の旅に出る。
バリー・ジェンキンス監督がメガホンをとり、ジェフ・ナサンソンが脚本、リン=マニュエル・ミランダが音楽を担当した本作では、アーロン・ピエールがムファサ、ケルビン・ハリソン・Jr.がタカの声を演じ、マッツ・ミケルセン、ビヨンセ・ノウルズ=カーターが声の出演をしている。
本作は或る意味、「はぐれもの」たちが自分の“居場所”を求めて奮戦している物語だと思う。
その奮戦の中で、“正しい選択”をしたものと“間違った選択”をしたものとの明暗を色濃く描いているような気がする。