8月って例年あまり観たい作品が劇場でやってないので、ドラマを見たり劇場で観なかった映画を消化する月間になりがち。ゆえにネトフリのマイナーなドラマの第一話だけを色々観て隠れた良作を探してみたり、U-NEXTのポイント消費して準新作を観たりとかをしている。
去年劇場公開を見逃した作品のひとつ、オーディションで選ばれた子供たちによるモキュメンタリ―感あるドラマ作品。作品での役柄も演じているキャラクター自身をモデルとした映画を撮るという内容、なんか紛らわしくなる。出ている子供たちは実際に演技未経験で地元出身とかなのだろうか。そこら辺のリアリティのラインがよく分からなくなった。
フランス北部の荒れた地区を舞台にした映画が企画され、地元の少年少女たちを集めた公開オーディションが開かれる。問題児ばかりが集められた彼ら自身をモデルとした物語、映画の登場人物を演じることで彼らは自分自身と向き合っていく(作品の背景ではなく映画のストーリーの話です)
つまり、オーディションで集められた演技未経験の子供たちによる郊外を舞台にした彼ら自身をモデルにした作品を撮るという内容の映画を撮るために、郊外でオーディションを開いて子供たちを集めてたぶん演技未経験の子供たちが演じたドキュメンタリーっぽい内容の作品を撮ろうという作品なのである。…多分あってる。
リリ役とライアン役の子は、何年か経った後にこの作品が始まりだったと言われるようなブレイクをするんじゃないかと期待しちゃう、特に印象に残った。映画の撮影をしているシーンとバックステージのシーンが注釈なく挟まってくるので、時々どっちか分からなくなった。
メインになる子供たちの様子に注目しがちだけど、ここに出てくる監督などのクルーは、本作の製作者を投影したものなのか気になるところ。子役の演技指導が思い通りにいかず、監督が癇癪起こすシーンから始まるトラブルとか妙に生々しい空気を感じる。
劇中劇の内容についての説明がもう少しあれば良かったかも、ライアン君がハト飛ばしているシーンが、それのクライマックスっぽかったけど、前後がよく分からないので、かなり謎の光景だった。
平たく言うなら、子供たちは映画の撮影を通じて成長し、大人たちは撮影を通じて教訓を得る。観る前はジャケのライアン君からは不穏なものを感じたけど、ラストカットの彼は、実際に一つの作品をやりきったあとの彼の素のようにも見えてとても晴れ晴れとしているように見えた。あと、リリちゃんもかわいい。