エイプリル

忌怪島/きかいじまのエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

忌怪島/きかいじま(2023年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

VRから始まるシーンはただのホラーではない予感を感じさせて、かなりの期待感を持ってみました。仮想空間という人工的な場所に存在しないはずのものがいる、というのはかなり怖いです。
正直、その路線のまま「幽霊かと思っていたけど科学的に証明できる何かのバグでした」の方が怖かったような気もするのですが、残念ながらそうはなりませんでした。

結局幽霊は幽霊として普通に出てきます。このビジュアルがなかなか怖くてフジツボが嫌いになってしまいそうな感じなのですが、「どうしてVRと死後の世界が繋がるのか」ということに納得感を最後まで持つことができず、幽霊が登場しても怖さというよりも「なんで?」みたいな感情を持ってしまいました。
ホラーなので別に不条理に幽霊が出てきてもいいんですが、なまじSF的な導入をしてしまったので、そこもちゃんと理屈を作ってほしかったです。メタバースと死後の世界は似てるかも、というアイデア自体は面白いような気もするのですが、別に似てるようにも思いませんでした。
あと、散々引っ張っておきながら幽霊が弱すぎて「え?終わり?」と感じてしまったのも悲しかったです。ラストに島丸ごと異界化する映像も見たかった…。

ラストシーンの「VRから出られていない」というオチも好きな展開のはずなのに、そもそもVRと死後の世界の関連がふわっとしてるのでここも「なんで?」でした。常に「なんで?」と思いながら見てしまう。
キャラクターが多い割にそれぞれの深掘りもされず、ヒューマンドラマ、ホラー、SFの全てを盛り込みつつ全部浅いところで終わってしまっているという印象の映画でした。終わりです。
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