たまごやき

ゴジラ-1.0のたまごやきのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.5
昨年の12月初め、「全米で12月1日に公開されたゴジラ-1.0の評判がいいらしい」というネットニュースが出て、そのコメント欄に、「映画としては悪くはなかったが、俳優がみんな演技過剰だった。佐々木蔵之介なんてヤケクソだったぞ」とあるのを見て、逆にその佐々木蔵之介見たい!と思ったのがきっかけで観に行きました(笑)
結果、すごく楽しめたのでコメ主には感謝しかありません。

じつはそれまで、予告編が暗くて怖そうだし、山崎監督とはなにかと相性悪いしと思ってスルーしてたんですよね。
あ、気になった佐々木蔵之介さんの演技ですけど、江戸っ子の艇長のキャラをわかりやすく見せる芝居というかんじで、私はとくに気にならなかったです。

じつは4DXで観たんですが、ゴジラの足音がズシンズシンと身体に響いてきて最高でした!
震電にも乗れたし。
あとはやはり音が!ゴジラの音楽(BGM)はやっぱりよかった。
とくにあるシーンで、まるで観客の鼓動が速くなるのに合わせてあのダダダ、ダダダ、の曲も速くなるところがあって、音と映像に感情が自然と動かされる感覚とドキドキが重なって、えっすごい!って思いました。
映画館の大スクリーンと音響で観たときに最高の体験が出来るように作られていて、それが大成功している作品だなと思いました。

あとは、やっぱり子役の明子ちゃんにMVPあげたいなぁ。
ドラマパートが安っぽいメロドラマにならなかったのはこの子のおかげだと思うので。
明子ちゃんと浩一のシーンはお芝居ではあるんですが、浩一の優しさと神木くんご本人の優しさが併存していて、とてもエモいシーンになっていて、私はここから無意識に浩一への感情移入が深くなっていた気がします。
神木くんのお芝居は良くも悪くも軽さがあるのが持ち味だと思っているんですが、それが浜辺さんの昭和感があり地に足のついたお芝居と相性がよくて、いい組合せだなと思いました。


(マイナス点)
黒い雨の使用がちょっと安易な点。私なんか日本人で原爆の知識があると「え…被曝するやん…」と心配になった上で、ゴジラ映画だからこれくらいの突っこみどころはしょうがないかと考えるわけですけど、欧米の人のレビューを見ると「絶望を表現する良い演出だった」くらいの受け止め方になってて、いや、これは高熱出たり鼻血出たりしてないのはたまたまで、後々白血病になって死ぬ可能性もあるやつだから!ってなったんで。

海外に持ってく作品の場合はゴジラ映画でも、いや、ゴジラ映画だからこそそこらへんのフォローもちゃんとして欲しかったです。
とくにこのマイナスワンの場合、たまたまの巡り合わせですが、全米で大ヒットした「オッペンハイマー」の後に鑑賞した人が多くて、オッペンハイマーでは描かれなかった「原爆が投下された後の日本を描いた作品」として受け止めてる人が多かったんですよね。

ともあれ、「そうそう、こういう映画が観たかった」となる作品だったので、映画館で観れて満足です。
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