うなぎ

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビーのうなぎのレビュー・感想・評価

3.9
非正規雇用の兄弟2人(と仲介人の中年男性)を通して、まひろとちさとは手厚いセーフティネットの元に守られてきた上流階級の殺し屋であることがわかる。
もはや萌えアニメといって差し支えない日常パート(褒めてる)の練度は増すばかりで、翻って彼ら・彼女らの日常が主題歌通り「当たり前じゃない」ことを突きつけられる。

定食屋のくだり含め登場人物の立場は「逆だったかもしれねぇ…」のオンパレード。須佐野が和やかに「さらうのに苦労した」と語る場面で物語のアクセルが急速に逆回転し始め、資本主義のメタファーとしての殺し屋稼業が浮き彫りになる。
終盤、兄弟が「(もう殺し屋協会とか関係ない、)とにかく勝ちたい」と漏らすシーンは切なくて目頭が熱くなった。

『2ベイビー』のタイトル通り物語は主に3通りの2人組を描く。
ただどの関係性も明確に善悪や解決策が提示されるわけではなく、それゆえ前述のテーマが一層重みを持って感じられる。

脚本や映像のギャップ含めあらゆる点で前作を凌駕するストーリーテリングな気がしたし、主題を描くためのゲスト、それを演出するための主役2人という構造もすっごい好きだった。確かにこのパターンなら連ドラいけるわ。
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