銀幕短評(#765)
「凪の憂鬱」
2022年、日本。1時間38分。
総合評価 ?(フィルマ平均4.1点)
一同:おつかれー。おつかれ。おつかれー。
A:この映画、主人公の凪(なぎ)って女の子、けっこう かわいいね。表情が ゆたかだろ。おかっぱが よく似合っているじゃないか。演技がちょっと 大げさな気もするけど。
B:でも 大阪の人って、この程度の映画を おもしろがるのかなあ。大阪は お笑いお笑い、とかエラそうに いいながら。ああいうバタバタ演技の面白さっていうのは、都会育ちのボクには ちょっとわからないな。ナントカ喜劇と同じで、深みがないよね。まったく刺さらないよ。
C:客に安易に 受けよう受けようとして、上滑りになっているんだよ。まったくの自己満足さ。媚びているんだ。見苦しいね。
B:あの監督は、じつは「街の上で」の大阪バージョンを撮ろうとしたんじゃないかな、きっと。でも 雰囲気のある下北あたりが舞台の 品のある あの映画とは、まだまだ比べものにはならないね。格がちがうのさ。まあ そんなに わるくはないんだけど、もっと努力と経験値が必要かもだね。
A:よくはニュアンスがわからないんだけど、俳優さんのしゃべる大阪弁が たぶん とてもナチュラルで、そこは好感がもてるよ。買うとすれば、唯一 そこかなあ。
C:そういえば 「街の上で」のイハ役の 中田青渚さんも、関西弁がとてもうまかったね。彼女は ひょっとしたら関西ネイティブかなあ。ボクは フィルマで Fan!登録しているんだけど。
D:まあ あきれた。アナタたち 見る目がないわね。わるくちばかりいうけど、ワタシは この映画、とても好きだわ。ユーモアやペーソスが たっぷりだし、青春時代の あるあるテーマを うまく自然に ストーリーに取り入れているじゃない。カメラもいいし、4.1点をつけちゃうわ。いっそ 満点にしちゃおうかしら。
一同:なるほど、そういわれるとな。。 (沈黙)
A :じゃあ、いちおう他のひとのレビューを、さきに読んでみようよ。 (一同、うなずく)
(どこからか 独白)
知っとる? 映画の アタマのアレ、中之島の中央公会堂や。洋式で めちゃカッコええやろ。100年以上前に建った 重要文化財やけど、わしは しょっちゅう 借りて使こうとる。つぎに、あのたこ焼きは あんな熱いわけないで。そら あたりまえやろ、盛っとる盛っとる、ホンマに。それから あの ネーチャンら、寝ころんでも夜空に星が そんな ようけい見えるわけないで、あんなとこで! そばを阪急が走っとるやないかい。どこかすぐわかるやろ。ほんで、コラ そこのアマ D おまえや ボケ! ええかげんな高い点つけるな カス! まぎらわしいやないかい。えらい迷惑したぞ コラ、頭カチ割ったろか。レンタル料 おまえが払ろたらんかい! こんなクソ映画、最後のほうは 1.6倍速で回して もたるど、おんどりゃー!! フィルム ブチ切れろーーー (かすかに かん高い回転音、から無音)
(舞台暗転、静寂)