とある女性の生活をあるがまま見つめるアケルマン的ポートレイト。
特集"ニナメンケスの世界"にて鑑賞、わりと特異な映画作家らしいニナメンケスの特集上映がやってたので見に行ってみた。
まず本作はアメリカ郊外に住む1人の女性の生活を見つめた作品になっており、特に大きな事件が起こらず何も言葉では語らないスタイルにやはりシャンタルアケルマンを想起させた。
昼間は老人の居宅介護で夜はカジノのディーラーという仕事を主軸にし映像で語られるあるがままの女性の姿がそこにある、アケルマンと同じく映る女性の退屈を一緒に共体感させられる作品であることは確か。
だがアケルマン的な長回しはあれど、あくまでもショットを切り返し繋いでいく細やかな編集が活きている作品だとも感じた。中盤の長ーいディーラー仕事のシークエンスも細やかな編集に彩られていてめちゃくちゃ見入ってしまう。映像的にはわりとハッとさせられる美ショットがちらほら散見したりしてるし、しっかりアートとしての魅力も兼ね備えているなとも感じる、アケルマニアの人なら是非この機会に鑑賞してみてはどうだろうか。