【”オーライ”な世界】
コロナによるシャットダウンからすぐの頃、NHKが駅ピアノのスペシャルを放送した。
ナビゲーターは上白石萌音さんだった。
なんだかとても気持ちの良い声だし、表情も柔らかくて、かなり若そうだけれども、素敵な人だななんて考えていた。
この「夜明けのすべて」の、上白石萌音さん演じる藤沢さんが「オーライ、オーライ」とバックする車を誘導する場面で、それを思い出した。
この映画で描かれるテーマは考えれば考えるほど、対応やどう理解したら良いのか逡巡して、なかなか答えは難しい気がする。
PMSにパニック障害。
自死で家族を亡くされた人に対する対応も同様だ。
小学生の頃、両親に毎日小学生新聞をとってもらって読んでいたのだけれど、質問コーナーに、よく生理についての問い合わせが多かった。
例えば、自分はもう生理が始まっているのだけれども、お父さんが入った後の湯船に、白いもの(今思うと垢だと思う)が浮いているので、妊娠しませんか?とか。
生理が何か全く分からない僕は、近所に住む大好きな従姉妹のお姉ちゃんに、生理とは何かと聞いたら、とてもとても分厚い百科事典をもってこられて、「ここ、読んで」と指差して言われた。
医学用語で、ちんぷんかんぷんだったけれども、従姉妹のお姉ちゃんも答えにくいことだとは理解することが出来た。
そして、それから、しばらくの間、その質問はずーっと封印したままだった。
だから、思うのは、性教育もPMSも含めて、こうしたことがあることを学校でちゃんと教えてくれたら良いのにということだ。
身体障がいだけじゃなく、パニック障害も、ほかの気に留めることが少ないようなハンディキャップも、学校で教えれば良いのにと思う。
そうしたら、他の知らない”何か”に突き当たっても、応用が効くような気がするのだ。
藤沢さんと、山添くんと、栗田社長と、辻本さんのように、こうした重荷を背負った人同士だけで助け合わなくて良いような気がするのだ。
そうすれば、「オーライな世界」になる気がするのだ。