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はたらく細胞のバナバナのレビュー・感想・評価

はたらく細胞(2024年製作の映画)
3.8
職場の人が「泣くで・・・」と言っていたので、アニメを観ている私は「まさか。オモロイの知ってるねんで」と思いながら鑑賞しましたが、最後は私も泣きました(照)。

≪細胞たち≫
赤血球・・・永野芽郁。体中に酸素を運ぶ。

白血球・・・佐藤健。
体内に侵入した細菌やウイルスを排除する。
『るろうに剣心』で培った身体能力で、壁走りも遺憾なく発揮。

キラーT細胞・・・山本耕史。
リンパ球の一種で、強力な殺傷能力を持つ免疫細胞の主力部隊。映画の中ではアメリカ海兵隊の様に団体で行動している。
山本耕史は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出ている時に、必要ないのに上半身を脱いで筋肉を見せつけていたので、この海兵隊の様な役はよく似合っていた。

N(ナチュラル)キラー細胞・・・中里依紗。
がん細胞やウイルス感染細胞などの異物を見つけ次第、単独で攻撃の先陣を切る一匹狼の殺し屋。
キラーT細胞がいつも団体行動なのを揶揄している。

ヘルパーT細胞・・・染谷将太。
細菌などの外敵侵入時に、的確に攻撃できるように戦略を決める司令官。

マクロファージ・・・松本若菜。
免疫細胞の一つ。映画内では幼い赤血球たちを育てる保母の様な仕事をしているが、いざ異物を見つけたら大鉈で敵を殺傷し、細菌感染を防ぐ。

≪悪役細菌たち≫
肺炎球菌・・・片岡愛之助(ブルー)
黄色ブドウ球菌・・・小沢真珠(イエロー)
二人ともメイクが凄いので、辛うじて声で誰なのか分かった。

????・・・Fukase。
『キャラクター』で演じた猟奇殺人犯の様に、今回も訳有の悪役。演技うま!



≪感想≫
前半は、なんだか戦隊物を観ている気分だったのですが、白血球の佐藤健くんの細菌との闘い方が、ナイフを遣った本格格闘技系なので生々しい。でもそれは『アベンジャーズ』などのハリウッド映画がCG全盛なのに比べて、体を張って生身で頑張ってくれているので好感がもてました。
だが、人間パートの女子高生・芦田愛菜ちゃんが病気になると、愛菜ちゃんの体の中の細胞たちの世界も凄まじく荒廃していく。
そして病気の治療で、良い細胞たちも巻き込み皆殺しになっていくので、さしずめ体の中は戦場の様で…。

この『はたらく細胞』のアニメは、海外の理系の人達にも人体の働きを正しく紹介されていると人気があるので、映画もそのうちNetflixやAmazonで世界中に配信されると思いますが、日本人が食生活で体を治す…という意味が、愛菜ちゃんの作る食事やお弁当で、海外の人にも伝わりそう。

ただ、余りに擬人化された体内の街の崩壊ぶりが凄いので、現実世界でウクライナやガザ地区などが戦闘状態だけども、それ以外でもかつて戦争や内戦などで難民経験のある人が本作を観ると、思い出してPTSDが出たりしないだろうかと心配になるくらい、後半は悲惨になっていきます。
一緒に観に行った子供は、愛菜ちゃんと父親役の阿部サダヲとの親子の絆にも感動して涙が出た、と言っていました。

まあ原作そのものがむっちゃ面白いのですが、作品のアイデア自体が素晴らしいので、アカデミー賞で『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が作品賞を獲るくらいだから、本作も脚色賞とか獲らないかな、と思いました。

あとエンディングロールで、登場人物達の紹介にえんぴつで書かれた肖像画が出てくるのが中々味わい深くて…。
AmazonやNetflixだとちゃんと観られないと思うから、得した気分です。
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