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ミッシングのhynonのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
4.4
ものすごいリアリティ。
夫婦のやりとりとか、世間の反応とか、ものすごくリアルだと感じた。

さすが『空白』や『ヒメアノ〜ル』の吉田監督。
人間の描き方が容赦ない。好きだなぁ。

マスコミの対応。
SNSの残酷さ。
結局はみんな他人事なのだ。
本当は他人事じゃないのに。
いつ自分がこうなるかもしれないのに。

殺伐として陰惨で狂った世の中。
それでも、その中でわずかな優しさや希望を頼りに生きていくしかない。

感動作を観て気持ちよく涙を流したい人が観たら、なんだよこれ、と怒るかも。
そんな甘っちょろい映画じゃないのだ。

Tシャツ、音楽、手の表情など、芸が細かい。
もしかして、と思わせるミスリード、からの観客の内省を促す展開もさすが。
序盤の展開の速さも素晴らしい。
最後は予想どおりの着地。

あれ、そういえばあのグループ名のBLANK??って、「空白」って意味だっけ。
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