もちろんフィックションなんだけど、この救いようがない気持ちと心を何処にぶつけたらいいか分からなくなってしまう作品だった。
物語の中で完結してしまうミステリー作品ではなく、被害に合った家族のずっと続いていく生活や心にフォーカスした作品でとても考えさせられた。
実際には、残念だけどこんな事件はあって、その事実だけを抱えて生きている人達は少なくない。とても正気では居られないし普通になんか生きていけない。誰も受け入れていい事実でもないし、こんなことは何年経っても受け入れられない。それでも帰ってくると信じて生きていくしかないことが、心苦しいだけではあまりにも語れないと思った。誰も悪くないのに、自分達を責められずにはいられなくなってしまう気持ちに胸を締め付けられて涙も溢れ出したな。最後のシーンはとても良かった。やるせないけど、気持ちは変わらないけど、それでも前を向くしかないとほんの少しだけど希望の光が差した様に感じた。
そして、この世の中は本当に情報に溢れ過ぎている。真実だけを報道すると謳っていて、もそれを面白がらない人は沢山いて視聴率の為に印象操作は必ず起こっている。これほどの情報社会で、正しい正しくないと選別していくのは難しいが、情報だけに惑わされない様にしたい。ましてや当事者を何にも知らない人が軽い気持ちで面白がってはいけない。
自分が今まで、素通りしてしまっていた人達の思いや気持ちに気付くきかっけになったし、どんな思いで活動されているのかを自分も考えていける人でありたいと思った。
なんかとてもまとまりのない感想になってしまったけどとっても観て良かった作品だった。
やっぱりこれは映画館で観れば良かったなと後悔。