【本当のテロ】
6月14日公開作品の中では最も問題作になると思う。
一般的にテロリズムとされる抗議破壊活動をリアリティを追求したうえで物語にしているのだ。
そして、ある意味、彼らを肯定的に描いているからだ。
国際政治学では、アメリカの軍産複合体はいわゆる”悪の権化”のように話題にされることは多い。
軍産複合体とは、軍と軍需産業、政治が一体化して、軍備拡張を行い、中古になった軍備品を輸出して、結果的に輸出先で紛争が起こるというのだ。
しかし、アメリカのエネルギー産業も実は似ている。
トランプや、アメリカの石油産業が強大になっている州、そして石油企業がそれだ。
事あるごとに、再生可能エネルギーには反対し、温暖化はリベラリストの陰謀で、そんなものはないのだと言い張り、ガソリンや灯油、重油をジャンジャン使いましょうと、それが人類の幸せだとのたまわっているのだ。
日本でも、ブサ顔の〇〇なんかは再生可能エネルギーにブレーキをかけようとする代表的な例だが、自分の出自にまつわる自慢話がなければ誰も聞く耳を持たない右翼御用達の単なる頭の悪い低脳バカだ。まあ、でも最近はおとなしくなっているし、メディアも取り上げなくなりつつある。
アメリカでも温暖化に危機感を持っている人は沢山いて、共和党支持者の多い保守的な州でさえも、太陽光など再生可能エネルギー比率を高めているところはあって、必ずしもトランプで一枚岩ということではないけれども、基本的にバカは死ななきゃ治らないと思っているので暗澹たる気持ちにもなる。
(以下ネタバレ)
テロリズムが良くないのは当たり前だ。
特に市民を標的に、彼らを恐怖させることがテロリズムのもっとも大きな目的だからだ。
だが、この映画では、狭義のテロリズムとは一線を画すのだと云うことで、一般市民や環境への被害を最小限に抑えようと工夫する。
そんなことで、このアンチヒーローたちの行動を実は応援したくなってしまう。
そんな人は結構多いと思う。
ただ、こうした政治やエネルギー産業に対する”本当の意味でのテロ”は、選挙でノーを突きつける事だと僕は思う。
ヨーロッパでは再生可能エネルギーの割合が相当大きくなって来ている。ポピュリズムが台頭しているとはいえ、この流れを止めることは難しいだろう。
日本でも、バカな政治家と経産省と電力会社のアホなトライアングルで、脱炭素化も脱原発も一向に進まない。
新潟から北海道の間で、よく洋上風力発電は話題になるが、電力会社は積極的には見えない。
こんな状況の中心にいたのは、明らかにカルト教団と結託して裏金ジャブジャブの安倍派議員だ。
岸田さんもこいつらに振り回されてかわいそうな気もするが、もう終わりだと思う。
まともな政治家が出てくることを切に願う。
それこそが真の意味でのテロなのだ。