慎ましく清らかで勤勉な日本人、ハイテクでおしゃれな都会のトイレ、ちょっとしたほっこりエピソード、古いものと新しいもの・最先端の技術と自然が共存する不思議の国ニッポン。小さな違和感も無数にあって、終始苦笑いしながらではあるけど、東京見物の気分を味わえました。
ただ、終盤、平山さんにグッとフォーカスがかかってくるところには引き込まれました。影踏みのシーンには村上春樹みを感じ。それとあのラストシーンはすごくかっこいい。古いロックの名曲と朝陽に照らされた街の中、車を走らせる彼は何を思うのか。
「こんなふうに生きられたら」というキャッチコピーは、彼の生き方の外側しか見てないように感じる。まあそういう映画なのかな。「型」がだいじ、というのも、日本文化の考え方だもんね。
清く貧しく美しく、孤独を引き受けると同時に、誰かに対して責任を持つことや、何かを守らなくてはならないしがらみからは逃げている。そんな生き方もあると思うし否定はしないけど、私にはできないな。