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Banel e Adama(原題)のrebのレビュー・感想・評価

Banel e Adama(原題)(2023年製作の映画)
3.0
「EU FILM DAYS 2024」で鑑賞。
セネガルの砂漠の村。
バネルは夫のアダマが大好き。
いつでもどこでも一緒にいたい。
2人の夢は、村外れの砂山に埋まった家を掘り出して2人だけで暮らすこと。

そんな2人のささやかな夢に立ちはだかるのは、村の古い因習。
アダマの村の長としての血筋。
酷い干ばつ。

女は若くしてよく知らない男のもとに嫁がされ、子供を産み、村の労働力とならねばならない。
しかしバネルはその全てを放棄し、アダマと2人っきりで暮らすことを望む。
アダマは干ばつで牛が次々と死んでいくことを、自分のせいだと思い、村のために尽くそうと決意する。

セネガル人の両親を持ち、パリで生まれ育ったラマタ•トゥレイ•シー監督のデビュー作。
自分のルーツに向き合った作品なのであろうが、慣習に抗い自分らしく生きる女性というよりは、周りが見えずただ愛を貫こうとした自分勝手な女性に見えてしまったのが残念。

アダマしか見えないバネルの前に、砂に埋まった家は、一瞬だけその美しい姿を現すが、また砂嵐の中に埋もれてしまう。
その映像は素晴らしかった。
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