“料理は芸術”
19世紀末フランスで、既にこんな料理が作られていたとは。
美食家ドダンは、斬新なメニューを思いつき、料理人のウージェニーが完璧に作り上げていく。
冒頭から約30分、厨房で作り出される料理が、流れるように映し出される。
上はまるでコンロのようで、下はオーブンというような設備での調理。
手際よく、次から次へと高級食材もふんだんに使い、美しく仕上げていく。
だだそれを眺めているだけで、幸せな気持ちになれる。
食に対する愛情と、仕事に対する真摯さと、人と人との信頼関係が十二分に感じられるから。
そして、料理家と料理人の愛の物語でもある。
20年共に歩んできたふたり。
ドダンの求婚にようやく応じたウージェニーだったけど……
ラストは人気のない厨房の長回しの映像がゆっくりと流れる。
その後、ドダンのある質問にウージェニーは答える。
「料理人」と。
全てを物語っている言葉だった。