たま

枯れ葉のたまのレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
3.5
1950年代!?ではと思われるヘルシンキの街と生活感。

スーパーで無表情で淡々と働く女性と、現場で体を張った仕事にアルコールを手放せない男性の、労働者階級の日常を描いている。

生活には全くゆとりもなく、余暇も娯楽も最低限の世の中で、何とか生きているという感じ。

それにしてもこの男女、お互い関心を持つものの、笑っちゃうほど不器用。
おまけに2人ともかなり無口だ。

ラジオばかりでテレビを見ることも無く、映画もクラッシックなものばかり。
タバコの吸殻のポイ捨てもしかりで、時代背景がますます???となる。

それでもラジオから流れるロシアのウクライナ侵攻のニュースから、現代の話には違いない。

ロシアの隣国フィンランドならでの、緊張感や恐怖感や絶望感があるだろう。
孤独に生きるふたりが、愛を求めるのにも、少なからず影響しているような。

WOWOWのアキ・カウリスマキ特集。
独特の間と抑揚のないセリフが、不思議な世界へと誘う。

今は違和感しかないけれど、見れば見るほど癖になるのかな?
まだまだ続くアキ・カウリスマキの世界が楽しみ。
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