魔法の森に住むテディベアとユニコーンで先祖代々続く聖戦を描くアニメーション映画。
「蛇の道」より前に観てたのですが、感想をペンディングしてました。
主人公のアスリンが母親の愛情を双子の兄に独占されて、ひねくれた性格のまま最後まで突っ走る内容で、そのひねくれは後半のある出来事以降、容姿とキャラが合致することで、可愛く見えないキャラクターの違和感は解消されていく感じではありました。
テディベアが全員男性で、ユニコーンが全員女性が声を当てていて、男性対女性の性の分断のお話とも言えるのですが、戦争の対する考え方が彼らの持つ聖書の解釈を押しつぶしてまでも盲信的に戦争へと向かわせるメカニズム、戦争ビジネスが終盤に少し描かれてる点は、良かったと思いました。
あとは、ラストシーンにはとにかく驚かされましたが、一連のいがみ合いや歪みの中から生まれたものを猿たちが崇めていたりする世界観も一考であると思いますが、ここに至るまでの経緯として、ここまで過激な残虐描写をさせる必然性があったかどうかは、若干疑問が残る後味であったとは言えます。
主人公とその双子の兄以外のキャラの設定がぼやけた感じなのも、少し物足りなさが残りました。
この辺は、日本のアニメのレベルが高すぎる弊害でもあって、例えば近年の「ちいかわ」などはキャラの可愛さ以上に大人の鑑賞の充分絶えられる哲学的な奥深さを感じさせたりするために、海外アニメの造詣の甘さを感じました。