レンタルDVD全盛期の2003年カナダを舞台に、他人との交流が苦手でトラブルばかり起こしてしまう映画好きな高校生の奮闘を描いた青春コメディは、国や時代は違っても、自らのハイティーンの頃とオーバーラップするところもあって、観ていて笑いながらも心に刺さった。
カナダの田舎町で暮らす高校生ローレンスは映画が生き甲斐で、ニューヨーク大学でトッド・ソロンズ監督から映画を学ぶことを夢見ている。
社交性に乏しい彼は唯一の友人マットと毎日つるみながらも、そんな日常が大学で一変することを願っている。
高額な学費を貯める為に地元のビデオ店「Sequels」でアルバイトを始めたローレンスは、かつて女優を目指していた店長アラナら様々な人たちと出会い、奇妙な友情を育んでいく。
そんな或る日、ローレンスは自分の将来に対する不安から、大事な人を決定的に傷つけてしまう。
ラッパーとしても活動する若手俳優アイザイア・レティネンが主演した本作が長編デビューとなるチャンドラー・レバック監督は、性別を敢えて男性に変更して自伝的ストーリーを映画化している。
失敗や挫折を経て、一歩成長したように感じられる終盤の展開が温かな余韻を残します。
