言霊。人を殺しててもこんな絵を描きたいという言葉が結果として悲劇を招いてしまう。そのほかにも、いい方面での言霊を感じる場面もあった。アーモンドの木に花がつく場面が象徴的なのだろう、美しかった。それ以外にも風景、街並みがまるで絵画かと見紛うくらい美しかった。
マルタの才能が意外なことから引き出されていく場面には感動した。そして結局は人生を生ききることがもっとも尊いことなのだと感じた。時に人を決定的に傷つけて死に至らしめる結果になろうと、それさえも引き受けて生きていく、ということ。
それにしても画家の絵のモデルになる女性はその画家を好きになるのだろうか。きっと本人の本質(nature)が絵に現れていれば、理解してくれていると感じ、好きになるのだろう。信頼といってもいいかもしれない。