フランスの病院を舞台にした医療ドキュメンタリー。劇中では分からなかったけど5つの病院で撮ってるそうです。
患者の体の中の様子を念入りに映す手術シーンを中心に、現場の疲弊を嘆く医療スタッフのぼやきや、入院患者たちの様子、レントゲンなどの検査シーン、怪我人の搬送路、生命の誕生、そして死……などが描かれます。
◆🏥自分が感じた特徴は……
①「ふつう」のレベルが分からないけど、あまりここまで直接は撮らないかも……と思うぐらい患者の患部を綿密にカメラに納めています。特に女性の胎盤や、摘出したガン細胞をガッツリ映してるシーンなどはけっこう迫力があって、結局人体の中身はグロい……と思いつつ、でも映像としては見応えがあって嫌いじゃない💉
②映っているものやストーリーについての直接的な説明はほぼ皆無。テロップも無し。上記のいろんなシーンを、ドライに、淡々と、しかし躍動感を持ってバシバシ切り替えてくテンポ感がわりと好きでした。「赤いムニョムニョの肉が見えてるけど、これはいまどこを手術してるの……?」みたいなことを推測しながら観るのもちょっと面白く。ついでにBGMも無し。
③映像のタイプとしては、手術シーン以外も、画面がグラグラな超接写が非常に多い。これが醸し出す臨場感がすごいです。と同時に、あまりに近くてあまりに揺れるし、映ってるものが肉と内臓なので自分はちょっとめまいが……😵💫
何らかの明確なメッセージを伝えようという作品というよりは、病院という場所とそこで行われる手術のディティール、そして人体というものの在り方を、リズミカルに編集することで迫力を維持したまま長尺の映像作品に定着させてる感じ? 個人的には上記の演出によってほどよい緊張感が生まれていて、ようは「映画」になってる気がしました🫀
ただしラスト10分ぐらいは完全に作られたフィクナショルなシーン? ここの謎なテンションもけっこうな見どころでした。ちょこっとだけコメントに書いておきます。
テレビやパソコンじゃなくて映画館でドキュメンタリーを観るなら、これぐらいの圧があると大変うれしいなーと思いました🎊🩻🎊