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『ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー』に投稿された感想・評価

4.1
 何か特殊なレッテル張りなど本当にどうでも良くて、アメリカに暮らす映画監督の実験的な映画理論は面白いし、大変興味深かったしタメにもなった。ある種ヘテロ社会に男性として生まれ落ちてすみませんとスクリーンの被膜に真顔で謝りたくなるほど、私が好きな傑作映画の数々がニナ・メンケスによって丁寧にこき下ろされて行く。それは痛快というよりはその理由にはなっから目を背け、居直る人もいるだろうが私はここ数年に顧みられた女性監督たちの映画と絡ませ、比較しながらニナ・メンケスの語りにしばし耳を傾けた。主体と客体、受動と能動という関係性で示される映像の快楽はセクシュアリティやジェンダー平等が叫ばれるようになった今でも女性たちに違和感を投げ掛ける。それは映画業界という産業そのものの欺瞞や搾取構造にも明らかなのだが、映像そのものが持つエンゲージメントには常に男性の眼差しがあったことは疑いようもない。それは見つめる側が男性であり、見つめられる側が女性だという事実に無意識的に蔓延する事象である。それは20世紀に見られた家父長制という地盤の影響も大きい気はした。

 ある種の映像が孕む性的な倒錯性や暴力的な側面を現代に生きる我々は無視することなど出来ない。もはや先進国に生きる我々にとっては自明の事実をニナ・メンケスは1つ1つの作品を紐解きながら、男性中心社会の中で光り輝く映画の闇を可視化せんとする。その執念深い試みそのものが怖いというのは偽らざる事実なのだが、私の好きな作品が私の周囲の人物の批評や感想とはまったく違う主題によってズタズタに切り落とされて行く様は見事と言う他ない。具体例を挙げればポール・トーマス・アンダーソンやマーティン・スコセージやブライアン・デ・パルマやスパイク・リーの作品が今作では見事にこき下ろされて行く。その批評眼自体は見事に痛快で、特にマーティン・スコセージの『レイジング・ブル』のロケーションから垣間見る聞こえない言葉の論考は必見と呼ぶ他ない。それと同時に今作が真に重要なのは、言及されなかった男性作家の相関図であろう。フェミニストにとっては常にLGBTQIA+とのレイヤーの違いが挙げられるが、ガス・ヴァン・サントの『マイ・プライヴェート・アイダホ』とアニエス・ヴァルダの『幸福』との共通性に言及する辺りは隙がない。ソフィア・コッポラの『ロスト・イン・トランスレーション』を男性的とこき下ろす様子が一番真に迫っており、ビル・マーレイのしわがれた顔とスカーレット・ヨハンソンの透けパンティが同列に扱われる様を強い口調で断罪する場面が一番心に残った。
3.8
アニエス・ヴァルダ、シャンタル・アケルマンを信奉し、ケリー・ライカートと共にアメリカインディペンデントを背負う監督ニナ・メンケスの挑発的な講義をパッケージ化したドキュメンタリーです。

男性目線で描かれ、女性はあくまで受動的に鑑賞される対象として描かれてきた映画の歴史を、世界的に有名な作品170本を元に暴き出しています。

世界中で名作・傑作と言われた作品たちが、"男性目線"の作品として、バッサバッサと斬られていきます。
自分の好きな作品が次々と斬られる気まずさと、それに相反する気持ち良さを感じます。

冒頭は『めまい』をパロディ化した音楽とソウルバス的な映像から始まります。
ヒッチコックは『めまい』以外に『汚名』でも、女性を平板に見せる平面的な照明が指摘され…
『ブレードランナー』は続編も含めて、女性に対する単純で偏見的な見方を揶揄され…
女性を観賞用としたカメラワークの作品として、PTA、タラちゃん、デ・パルマと次々にやり玉に…
スコセッシも作品2本を言及されており、『アフター・アワーズ』に至っては、ロザンナ・アークエットに、「私の役って必要だった?」と言わせています。

バラエティーに富んだ作品の一部を観ているだけで楽しいですが、男性視点として見せる映画技法の説明は、とても興味深いし、「ハリウッドは合衆国のあらゆる産業の中で、最も酷い雇用差別」というテーマも強く心に訴えてきます。

カメラ視点の多くは、男性化(主体化)したカメラ目線になっており、観客に無意識に女性を観賞用として見せているそう。
照明は男性を立体的な照明で、キリッと主人公として目立たせ、女性はフラットな照明で、ぼんやりと受動的に見せてしまう。
さらに、音楽を含めた相乗効果で、女性の観客もいつの間にか男性目線で映画を観てしまっている…💦

ニナ・メンケス監督
猫とネズミの関係を映画の中の男と女に例えるやり方等、誘導的かつ作為的に感じる部分もあり、彼女の主張の押し出しの強さがちょっと苦手と感じるのは正直な所です。

ただ、真っ直ぐな映画愛を感じるし、挿入されている自身の作品の映像は非常に鮮烈!好みです!
まだ、劇映画は観ていませんが、一見の価値はありそう、まずは一作観てみたいです。
3.9
映画界における視覚的な男女の力関係、女性の客体化と性的な搾取、「男性のまなざし」を解き明かす斬新な視点のドキュメンタリー。一定の層からすごい批判的な目で見られるんだろなって覚悟の作品。この作品自体が性的なシーンの切り取りだらけなので、、っていうのもあるけど、歴史上ずっと繰り返されてきた男性に向けた視覚パターンがあって、それを一挙に見るとうーん、まぁ確かに物語には全然関係ないけど脱がされてるなーっていう怒りは湧いてこなくもない。ハリウッド映画を消費している全世界の人々にとって、社会の洗脳のように女性は魅力的な対象であるべき、コントロールの対象であるべきと言った世間への刷り込みに警鐘を鳴らす作品だった。パターン化してくれて解説もわかりやすかった。このパワーを利用する女性も数多くいるのは事実だから中立的な視点で見るように意識してたけど、やっぱり本能なのかな、怒りが湧いてきたよ、自然と。

この言葉がめっちゃ刺さった。
フェミニストの第一歩は見ることです。
『わかりました、あなたは私を見ていますが、私もすぐに見返します』と言うことです。」
アニエス・ヴァルダ。

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