【雪に埋もれた島の友達】
アレクサンダー・ペイン監督の2023年のヒューマンドラマ作品
〈あらすじ〉
全寮制の男子高校。料理長の女性職員と共にクリスマス休暇を学校で留守番することになった孤独な中年教師ポールが、家庭の事情で居残り続けた男子生徒アンガスと少しずつ心を通わせていく…。
〈所感〉
問題のある学生とそれを導く模範的教師、という至って当たり障りないベタっちゃベタなプロットだなぁと思うが、クリスマスに置いてきぼりにされた三人の孤独と団欒を描いた作品としてクリスマスに見るのに非常に適していた。私もXmasというイベントにいつまでも加わることができないハミダシモノである。ポール・ジアマッティ演じる歴史教師ポールも問題がないわけではなく、周りに求めるハードルが高すぎて孤独に陥っていたり、頑固な部分も目立つ。そんな彼が家の都合で帰省できないアンガスやダヴァイン・ジョイ・ランドルフ演じる息子を失った悲しみに暮れる料理長メアリーとの交流を経て、次第にバランスのとれた人間らしい顔つきになっていくのが素敵。「歴史は過去を学ぶことだけでなく、今を説明できる」という彼の言葉がとても響いた。歴史は過去を崇高視しがちだが、それ以上に大事なのは現在とどう向き合うか?であるかを学ばされた。学生の頃にこんな作品見たかったなぁと思うので特に若い方にオススメの作品です!
〈私的名言集〉
・人は自分のために生きるのではない
・古めかしさが取り柄
・逆境は人生を強くする
・人生は鶏小屋のハシゴ
・雪に埋もれた島の友達
・セックスは99%の摩擦と1%の行為だ
・歴史は過去を学ぶことだけでなく、今を説明できる
・私の物語を語れるのは私しかいない
・世界は衰退であり人生は知覚である