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ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディのmaverickのレビュー・感想・評価

4.3
2023年のアメリカ映画。主演は『シンデレラマン』のポール・ジアマッティ。第96回アカデミー賞で作品賞を含む5部門でノミネート。ダヴァイン・ジョイ・ランドルフが助演女優賞を獲得した。


ナショナル・ボード・オブ・レビューとアメリカン・フィルム・インスティチュートによって2023年のトップ10作品に選出されるなど評価の高い作品で、多くの映画ファンも年間ベストに挙げていた。温かみのある作品で素晴らしい。評価通りの良作である。

クリスマスシーズンの寄宿校を舞台に、そこに残された者達による人間ドラマが展開する。ポール・ジアマッティ演じる偏屈教師、問題児役のドミニク・セッサ、料理長役のダヴァイン・ジョイ・ランドルフの3名を主軸にした物語だ。馬の合わない3人が徐々に心を通わせる過程に感動がある。人にはそれぞれ他人には見えない部分があり、一部分だけを見てその人を判断してはいけないことを教えられる。3名それぞれの物語に深く染み入る話だ。

問題児であるアンガスを演じたドミニク・セッサは、本作で放送映画批評家協会賞の新人賞を受賞。本作がデビュー作とは思えない素晴らしい演技を披露した。ポール・ジアマッティ演じる先生との関係性が素敵。ラストの掛け合いも好きだった。こういう人と出会えるかどうかで、その人の人生って決まる気がする。人との出会いって本当に大事なんだなと改めて思わせられた。


ホリデーシーズンに最適。ほっこりと、優しい気持ちにさせてくれる。本作に救われるという人もいるだろう。人生の友として、この先何度も繰り返し観たい作品である。
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