このレビューはネタバレを含みます
観賞後他者の感想、パンフもシャットアウトして。。
OPから上向きの映像で木や枝から見える曇り空を映し、ハナ(西川玲)が歩いていく様子を演出していると感じた。
映画の最中に何度も登場するが、全般的に暗い。最終的には霧まで立ち込め、キャラクターの心情と状況にリンクしているので、
観ているこちらにも不安感が広がる。
「悪は存在しない」という題名から、原住民VSグランピング企画会社の戦いになるかと思いきや、そこまで突っ切らず。
説明会の会話内容、そして2度目の高橋(小坂竜士)と薫(渋谷采郁)の訪問時の車内での会話がとても重要。
この村では自然と人のバランスが重要で、それが保てないとキャンプ施設などもってのほか。
不安が頭をよぎる中、鹿の通り道にあるグランピング施設予定地で、手負い且つ子持ちの雌鹿とハナが遭遇。
鹿を刺激しかねない高橋を失神させたまでは良かったが、ハナは鹿と調和しようとして恐らく大けがを負った。
高橋ら、ハナ、子持ちの鹿、鹿を撃った猟師、確かに悪は存在しない。
しかし高橋達が来たことにより、ハナへの対応が一層おざなりになり、いつもなら追いつくであろうハナに追いつけなかった。
一番大切なバランスが崩れた瞬間だった。結果的にグランピング計画は頓挫するだろうが、巧(大美賀均)はその時何を思うのであろう。
この後じっくり他者の感想とパンフレットを読もうと思う。