このレビューはネタバレを含みます
アルコール依存症のシルヴィアと若年性認知症を抱えるソールとの恋愛。ソールは勿論の事、シルヴィアにもアルコール依存になったトラウマがあったりと、かなりディープな事情が背景にある。一応はハッピーエンドという形になっているが、各々が抱える問題を完全に解決させず、投げっぱなし状態で幕を閉じてしまう。だから手放しでは喜べない。でも言い換えればそれは、簡単に綺麗事として片づける事が出来ないというアンチテーゼなのかもしれない。
主演よりシブい脇役が多いピーター・サースガードの、文字通り体当たり演技が目を惹く。もっともっと評価されてほしい役者なので、日本でほぼ同時期に公開される主演作『セプテンバー5』も期待したい。