【誰の為に”生”を全うするのか】
人生最期の時を待つ退役軍人が、1944年6月6日決行されたノルマンディ上陸作戦から70年の式典へ参加するべく、第二次世界大戦時受け取った勲章を身に付け、ノルマンディへと再び上陸するお話。
ノルマンディ上陸作戦は、第二次世界大戦でナチスドイツが占領するフランス奪還のため、イギリス・アメリカ軍を主軸とした連合軍が行った歴史上最大規模の上陸作戦。
作戦時そのもので連合軍兵士2500人が亡くなり民間人2万人も爆撃などの標的となり、本作はその退役軍人である元英国海軍将校バーナード・ジョーダンの実話がベースの作品🎬
演じるのは『殺しのドレス』や主にノーラン作品の要として活躍したマイケル・ケインの俳優引退作であると共に、本作の公開を待たずして87年の人生に幕を閉じたグレンダ・ジャクソン50年ぶり2度目の共演となんとも邦題にも合いそうな本作の背景。
原題のThe Great Escaper : 大脱走者は、2014年当時実際に主人公ジョーダンさん捜索の際用いられたSNS上のハッシュタグ#️⃣が基になっており、邦題は作中の台詞が元になっています。
名作『大脱走』(1963)はThe Greate Escapeですね。
調べると、作中の行動や台詞の多くが実話(記録)で語られた内容が反映されており、90歳でこのような危険な冒険に挑んだジョーダンさんや奥様のアイリーンさんの人柄が、2人の名優の見事な演技によって見事に表現されています。
描写の作り込み不足や特筆した点のなさが、海外評では指摘されるのが目立つが、高齢で尚且つ”死”と隣り合わせの夫婦がみせる老いの姿や戦争や恐怖を乗り越え、永遠の愛を育む姿はとても感動的で、高齢化や戦争で後先不安な現代に生きる私にとって、見習いたい姿が沢山映し出された作品でした。
また、映像も風景美や空撮など面白く、同じく退役軍人であるドイツ兵との絡みなど考えさせられる描写がとても好きになりました。
そして、本当に主演のお2人ともにありがとうございました。大切な作品にさせていただきます。
