のんchan

陪審員2番ののんchanのレビュー・感想・評価

陪審員2番(2024年製作の映画)
4.3
イーストウッド監督が昨年93歳時で製作した今作は生涯ラストの作品になるか?と言われている。
日本劇場未公開とは全くもって勿体無い。

ワーナー•ブラザースはアメリカで35劇場のみ公開したが、公の興収は発表しない方向(イーストウッドの面目を保つため)としているが、バカにしていないか?
イギリスでは300以上の劇場公開がされている。日本でも劇場公開へ向けての署名の動きがあるようだが、とりあえずU-NEXTオリジナル配信のみとなっている。

とにかく仕上がりはピカイチで、常に世の中を、正義を見つめる視点に狂いがない。心から尊敬するし、ぜひ次作があることを心待ちにしたい‼️


冤罪事件となる過程を丁寧に描くため、『12人の恐れる男』のようなワンシチュエーションシーンがあり、アクションが少ないため確かに地味ではあるが、キャストたちの力演を見守るのに息を潜めて見つめ続けた。


◉サクッとあらすじ
ジャスティン(ニコラス•ホルト)はある雨の夜、車を運転中に何かを轢いてしまうが、車から出て確認しても何もなく、そこは"鹿飛び出し注意⚠️"の看板が立っている場所。きっと鹿🦌だったのかも?と思い、そのまま一年が過ぎた。
ある日、殺人罪に問われた男の裁判で陪審員2番に選ばれる。事件を知るうちに事件の当事者としての強迫観念に苦しみ出す。


コバルトブルーの吸い付けられるような瞳、長身イケメンのホルトはノーアクションものもいけます。主人公がイケメンじゃなくても良いのでは?とも感じたけど、イーストウッド自身、若い頃は193cm(今は180cm)だったこともあり、敢えて190cmのホルトに自己投影したのかな?と勝手に想像して観たが、演技は罪悪感と正義心の板挟み。妻(ゾーイ•ドゥイッチ)が臨月で幸せの絶頂期で、揺らぐ心理を上手く演じていた。

トニ•コレット演じる検事は自信家のやり手。この裁判で勝てば検事長へ昇進する。意気込みが半端ない中、同僚のクリス•メッシーナからチクリと嫌味を言われるが、そのやり取りも面白い。

他にJ•K•シモンズ、キーファー•サザーランド、セドリック•ヤーブロー、レスリー•ビブ等、選ばれた脇役の演技も一人一人が素晴らしい。

事件をたった一人目撃していた老人がいたが、警察官らは犯人を頭っから断定して強要するように促す。そう思い込ませていく。
日本の袴田さん事件でも同じ。思い込みほど怖いものはない。

罪が出てからのラストへの持って行き方もさすがでした👏


本当に今94歳ですかね?
イーストウッドと同い年の母を明日病院へ見舞いに行きますが、片やご飯が食べられなくなっているので、なんとか笑顔とパワーのみのクリスマスプレゼントとなりますが激励したい💗
先週末から怒涛の如く心の中がジェットコースター並みに乱れています。
しかし、映画鑑賞は私の一番の栄養補給になるようです。
のんchan

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