このレビューはネタバレを含みます
犯したかもしれない罪をどう扱うのか、主人公と一緒にモヤモヤと考えてしまう作品でした
ある事件の陪審員に選ばれた主人公
本件はもしかしたら自分が関わっているんじゃないかと思い始める
評議は『十二人の怒れる男』と同じく11票の有罪と1票の無罪から始まるけどあんなスカッと爽やかな話じゃない
最初に陪審員たちが評議を早く終わらせたいからと自分たちの都合で意見を一致させようとする場面がありこの制度自体が破綻してるんじゃないかと思った
本作は主人公、陪審員2番の心情を丁寧に描いている
正義を貫くと今の生活を守れなくなる
有罪にしてしまうと良心の呵責が大きい
自分の身を守りながら被告を無罪にできないかという姑息な考え方にいつのまにか同調してしまっている自分がいる
正義に目を瞑ると一生罪を背負って怯えながら生きていかなければならない
心の弱い彼に耐えることができるのか
迷宮に入り込んでしまいます
2番のことを疑う検事もまた正義と出世を天秤にかけている
世の中は綺麗事だけでできているわけではない事はわかっているが検事は心を決めたようだ
2番はこのあと正義とどう向き合うのか?
観ているこちらに考えることをやめさせてくれない終わり方でした