日本では劇場公開されず配信スルーとなった法廷ミステリー。クリント・イーストウッド監督が94歳を迎えた2024年に発表した作品です。
近年の低迷でイーストウッド御大の手腕も枯れてしまったと思っていたんですけどね…ところがどっこい94歳で枯れるような男じゃなかった!ごめんなさい。ここにきて全盛期を思わせる演出の強度。
エンタメとしての面白さは保持しつつ、陪審員制度の難しさ危うさが描かれる。人の手で作られる正義の理不尽さ、そして人間という存在の根源まで考えさせられるような作品でした 。
ラストの余韻も深い。ラストカットは「さあ見ているお前さんならどうする?」とまるで御大自身から問いかけられているかのようです。