MrCinematic

ドリーム・シナリオのMrCinematicのネタバレレビュー・内容・結末

ドリーム・シナリオ(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞記録

普通の生活を送っていた大学教授の“ポール・マシューズ”は、何処にもいる冴えない中年男性。ある日なぜか何百万という人々の夢の中で出てきて、助けようともせずにただそこに居るだけという共通点もあり、一躍有名人になる。ポールはメディアの注目を浴びて得意げになり、夢だった本の出版まで持ちかけられる。しかし、夢の中のポールが次々と悪事を働くようになり、現実のポールにも悪夢のような日常が訪れて...というお話。


ニコラス・ケイジの演技力が爆発した華麗なる独壇場!!

仕草や見た目は本当にただの温厚なおっさんに見えるのに、展開が進むにつれて歩き方や佇まいが不穏で不気味さが増してくるのは、流石「実力派俳優」として第一線にて存在感が全然衰えてないなと感じました。

それに加えて、現実世界にいるポールが叶えたい夢(=出版)が野心的に主張が大きくなるつれて、不特定多数の「夢」という不可思議な世界に出てくるポールの行動が過激になってくるのが妙にシンクロしているように思えて、まるでポールの“承認欲求”という見えない共感性波動がこういった現象に繋がったのかな?

だからこそ、彼の本来の感情や思考を知ってる一部の友人や妻には現れなかったと思ったが、次女に出てくる理由が最後まで分からなかった。

ラストの展開は想像の大分斜め上に行って、自分的にはもの凄い身の毛がよだつ“承認欲求”の果ての究極の悪夢で、今の社会なら起こる未来として有り得そうだから余計に気持ち悪かった。。

“夢”は創造による無限大の不可侵領域で、共有するものでは無いなぁ。
夢の中まで誰かと繋がっていたいなら、もういっそのこと寝なければええのに(笑)
やっぱり人間って終始不特定多数に見られる檻の中でしか生きられない、極度の寂しがり気質のかまってちゃんかマゾヒズムの極みなんだろうね。。



P.S
逆に言えば共有という名目で夢の中の情報を盗む潜入捜査だったら、スーツ着てコマトーテム持って、虚無まで行ってやりますよ!(笑)